ドラゴンクエストIX - 星空の守り人 - プレイ日記 第64話
「脱出計画」
「こいつがゲルニック将軍の部隊から送られてきた、新しい囚人です。」
「おらっ! こちらは、ガナン帝国三将がひとり、ゴレオン将軍であるぞ。皇帝陛下より、このカデスの牢獄をあずかる、将軍さまが面会なさるんだ、しゃきっとしねえか!」
ゴレオン将軍、
「わざわざ、俺様に会わせるだけの価値がこのちんけな奴にあるのか?」
「なんでも、こやつ、例のイザヤールの仲間だとのことです。おまけに、かのドラゴンの背に乗って我らに戦いを挑んでくるなど、とにかく、タダモノとは思えません。それで、ゲルニック将軍は、このカデスの牢獄に送り込むように命じられたのかと。」
ゴレオン将軍、
「そうか、ついに、あの、にっくき、グレイナルを倒したのだったな。これで、また、帝国に逆らうものは、破滅の運命しかないことが証明されたわけだ。」
「おっしゃるとおりですな。」
ゴレオン将軍、
「この、バカ者がっ! おれが必要としているのは、天使だ。こいつのどこが天使に見える。どう見ても、ただの人間じゃないか。まったく、ゲルニックめ、なにを考えているのだ。」
「もうしわけありません。では、この者の処分はいかように・・・。」
ゴレオン将軍、
「牢にでも突っ込んでおけ。」
「おらっ! 入れ! 明日からは、地獄の仲間入りだ。せいぜい、今のうちに休んでおけ。」
となりから声が聞こえる。
「どうやら、新入りみたいだな。こんなところに連れてこられて不安な気持ちはわかるが、まあ、落ちつけよ。ここは、無駄な体力をつかってるやつから死んじまう場所だからな。今日のところは、もうねとけ。あすの朝は、早いぜ。」
翌日
「おらっ! いつまで寝てる。さっさと出ろ! ほかの囚人は、とっくに作業場にいっているぞ、おまえも急いで向かうのだな。」
アギロ、
「おそかったな、新入り。俺の名は、アギロ。おまえの隣の牢の住人だ。名前は、ひかるって言うんだ。しかしこいつは驚いたな。いや何でもないんだ。こう見えても、俺は、囚人のまとめ役みたいなことをやっててな、新入りに、このカデスの牢獄の案内やらルールを教えてやるのも俺の仕事ってわけだ。とりあえず、好きに回ってみろ。俺があとからついてっていろいろと説明してやるかやよ。」
ひかるは、
アギロから、説明を受けることにした。
アギロ、
「カデスの牢獄は、魔帝国ガナンに逆らったものたちが捕えられ、送り込まれる牢獄だ。一度ここに入って、生きて再び外に出られた者は一人もいないと言われている。」
アギロ、
「カデスの牢獄の主、ゴレオン将軍は、ギュメイ将軍、ゲルニック将軍と並ぶ帝国三将の一人。それだけで、この牢獄が帝国にとって重要な施設であるか分かるだろう。」
アギロ、
「ここじゃ、帝国兵に命じられて働かされてるのさ。」
囚人、
「もうダメです。これ以上、わけの分からないものを回すのは、耐えられません。」
帝国兵、
「だまれ。これは、わが帝国に役に立つ、大いなる仕事であるぞ。」
アギロ、
「あんなこと言われてるけど、何のために回させてるのか自分でも分かっていないんだぜ。」
アギロ、
「この牢獄に捕えられた囚人は、やがて、みんな、心か身体かどっちかが壊れちゃうのさ。」
アギロ、
「牢獄の門には結界が張られていて囚人は出られなくなっているのさ。何でも、聞いた話じゃ、この牢獄を出てすっと東に行くと帝国の城があるらしいぜ。」
さぼっている囚人が一人・・・。
さぼっている囚人、
「ひっ〜! 看守じゃないのか、ビビらせるなよ。」
アギロ、
「ここは、墓場だ。おまえさんもここの仲間にならないように気をつけろよ。」
アギロ、
「おっと、そこまでだ。ここから先は、囚人は入れないんだ。」
アギロ、
「見張りの塔や帝国の連中の宿舎があるエリアだからな。それとそう、地下牢があるという話だな。その牢には、ゴレオンの連中が探している、特別な連中がつかまっているらしい。まあ、そんなことはともかく、目の前の結界には触れないようにしとけよ。」
アギロ、
「帝国の連中は平気で通って行くが、俺たちがそいつに連れると、ビリビリってきて、はじかれちゃうんだ。・・・いや、ものはためしだな。ひとつ、体で覚えるつもりで触ってみろよ。」
ひかるは、結界に触ってみた。
アギロ、
「まさか。どうして、結界にはじかれないんだ。どういうことだ。結界をすり抜けちゃうなんて。うん!? なんだそれ。なんか光ってるぞ。・・・これは、帝国が使っている紋章が彫り込んであるな。おまえが結界を超えられたのはこいつのおかげと言うことか。」
アギロ、
「おい、こんなものどこで手に入れたんだよ。」
ひかるは、いきさつを話した。
アギロ、
「グレイナルだって? あの老ドラゴンからもらったというのか? なあ、ひかる、このことは俺の胸にしまっておくから、おまえも誰にも言うんじゃないぞ。帝国の連中に知られたら、タダごとじゃ済まなくなるからな。」
アギロ、
「案内するのはここまでだ。お次は、いよいよ仕事だが、まだ、ちょっとだけ時間があるな。後は、おまえさん。ひとりで好きに回ってみな。」
ひかるは、もう少し、牢獄を見回ってみた。