守護天使は、地上から戻ると、行いを長老
オムイに報告するのがならわしらしい。
オムイは、この天使界で数千年とも数万年とも生きていると言われている。
ひかるも長老の間へと向かうことになるが、向かっている途中、2階の図書室で、
イザヤールと
ラフェットの2人の天使が会話していた。この2人は、昔からの喧嘩友達。どうやら、
ひかるのことを会話しているらしい。
ひかるはこっそり後ろで聞くことにした。
ラフェット「ひかるが守護天使になるのは、早すぎる。」
イザヤール「私は、まだ早いと反対したのだ。それをオムイさまが。」
ラフェット「そんなことだろうと思ったわ。」
イザヤール「笑いごとではない。ひかるは、まだ未熟だ。人間界で何かあったらどうする。君は、エルギオスの悲劇を忘れたのか?」
ラフェット「忘れてはいないけどその話をするのは、天使界ではタブーになったのではないかしら。」
イザヤールが
ひかるに気づく。
「いつから、ここにいた。」
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長老の間にて、
ひかるは、
オムイと謁見する。
オムイ「守護天使としての地上での最初の役目、ご苦労じゃったな。とはいえ、今までは、イザヤールに同行してもらったのだったのう。じゃが、これからは、そうではない!」
オムイ「どうじゃ、1人でもやっていけそうだな。」
ひかるは、
「はい。」と答えた。すると
オムイは、
「ひかるは、なかなかの自信家じゃ。けっこうけっこう、若いもんはそれくらいでなければな。」と言って、次の役目を与えられることになった。
オムイ「地上でおまえは人間たちの感謝の結晶、星のオーラを手に入れたはずじゃな。次にお前がなすべきは、天使界の頂にある世界中にその星のオーラを捧げることじゃ。樹は、やがて育ち、その実を結ぶであろう。さあ、世界樹に向かうがよい。」
オムイ「世界樹は、この天使界の頂上にある。この階にある大きな扉から、一度外に出て上を目指すことじゃな。星のオーラを捧げるのは守護天使にとって最も誇らしいひととき、それを経験するまでは、一人前の天使とは言えないぞ。」
と言うことで、
ひかるは、天使界の頂にあると言う、世界樹へと向かった。
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(第3話に続く)