シュタイン湖へ行く前に少しレベル上げを行った。
セントシュタイン城の裏手にまわり、北の橋を渡り、道なりに北に行くと、立て札があり、
「道沿いに北に進むと、シュタイン湖、うるわしの湖畔」と記されていた。
ひかるたちは、立て札の通り、北へと向かった。
夜になって、シュタイン湖らしい湖畔に到着した。
サンディは、
「黒騎士が待っている場所ってここ?」と、
ひかるに確認した。しかし、長いこと待つが、黒騎士の姿は見えなかった。
サンディは、待ち合わせておいて来ないと不機嫌そうである。しかし、
ひかるたちは、もう少しこの場所で待つことにした。
あまりにも待ちくたびれたので、王様にはいなかったと報告することにして、帰ろうと思った。
サンディが、
「なーんて、振りかえれば、ヤツがいる。」と言って帰ろうとした瞬間、目の前に黒騎士の姿が見えた。
サンディいわく、
「マジっすかぁー!?」
「誰だ、キサマ・・・。」、黒騎士はそう言った。黒騎士にしてみれば、姫以外には用はないわけで、
「姫を出せ。」と言ってきた。さらに、黒騎士は、
「メリア姫は、もう私のことを・・・、あのとき交わした約束は、偽りだったのか。」と言い始めた。
サンディは、姫の名前が違うことに気がついた。たしか、セントシュタインの姫の名前は、
フィオーネだったはずである。黒騎士は、姫の名前を勘違いしているのだろうか? 姫の名前が違うことに、黒騎士は、
「それは、誠か?」と、
サンディに質問した。
サンディは、自分の姿が黒騎士に見えていることに驚いた。
ひかるは、姫の名前が
メリアでないことを伝えると、黒騎士は、
「ルディアノ王家に代々伝わる首飾りをしていなかった。」と言った。
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黒騎士がいままでのいきさつを教えてくれた。自分は、深い眠りについていたが、あの大地震とともに、何かから解き放たれるように、この見知らぬ地で目覚めた。その時自分は、自分が何者かもわからないくらい記憶を失っていたが、異国の姫を見かけ、
メリア姫を思い出した。自分の名前は、
レオコーンで、
メリア姫は、祖国、ルディアノ王国の姫で、近く、婚礼をひかえていた。
つまり、ぶっちゃけ、黒騎士は、
フィオーネ姫と、元カノである、
メリア姫を間違えていたのである。
黒騎士は、今一度、城に行って、真実を語ろうと思ったが、
サンディが、
「ややこしくなるだけだよ。」と言い、黒騎士は、
「もう城には近づかない。」と、セントシュタインの王様に伝えるように言った。
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翌朝、セントシュタイン城へ。王様に会う前に、以前、兵士から、やくそうとどくけしそうとまんげつそうを頼まれていたので渡し、代わりに、
「グビアナどうか」を貰った。
玉座の間に行くと、
フィオーネ姫と、王妃、王様の3人がいた。姫は、自分が黒騎士の元に行った方がいいと言っていたのであるが、王様は、許さなかった。
ひかるは、いままでのいきさつを王様に話したが、王様は、でまかせと言って信じてくれなかった。黒騎士の息の根を止めるまで、ほうびも渡さないと激怒した。
黒騎士のことを信じない王様に姫は悲しみ、玉座から飛び出してしまった。
ひかるも後を追う。
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姫は、玉座の間の入口にいた。姫は、話したいことがあるのだが、ここでは、父である王様に聞こえてしまうので、自分の部屋でしたいと言ってきた。
ひかるたちは、姫の部屋に行った。
姫によると、ルディアノ王国のことを耳にしたことがあって、ばあやが歌ってくれた、わらべ歌の中に、ルディアノという国の名前が出てきていた。ばあやは、シュタイン湖の西にある、エラフィタ村にいるとのこと。
ひかるたちは、エラフィタ村に向かうことにした。
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(第14話に続く)