ひかるたちは、
「ばあやのわらべ歌」を聞くため、
「エラフィタ村」に向かった。。
シュタイン湖に向かう途中の立て札を北ではなく西に向かって、道沿いに歩いていくと、
「エラフィタ村」は見つかった。中央には、大きな木がある。
天使となじみが浅いのか、正面の天使の像は壊れている。
着いたのが夜だったので、ばあやの捜索は、翌朝行うことにして、この日は宿屋に泊った。
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翌朝、ばあやを探していると、大きな木の中にいた貧乏な女性から、
「おうえん」のしぐさを教わった。この大きな木は、
「ご神木」と呼ばれ、大雨で村中が水浸しになったときに、大きな枝を村いっぱいに広げて、村人たちを守ったと言う伝説の木であった。しかし、現在は、ある時の大雨によって、多くの枝が落ちてしまったと言う。
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サンディいわく、
「ルディアノ王国のことも気になるけど、アタシ的には、フィオーネ姫と黒騎士の関係のほうが気になるのよねー。」
そういっているうちに、ばあやの名前は、
ソナであることが分かった。今は、幼馴染の
クロエおばあちゃんの所に遊びに行っているらしい。
ひかるたちが
クロエおばあちゃんの家に行くと、2人は、昔の話をしていた。しかし、
ひかるがわらべ歌の話を
ソナおばあちゃんに言うと、
クロエおばあちゃんが合いの手を打って歌ってくれた。
♪〜ヤミにひそんだ魔物を狩りに、黒バラの騎士が立ち上がる。
みごと魔物を打ち滅ぼせば、しらゆり姫と結ばれる〜♪
♪〜騎士の帰りを待ちかねて、城中みんなで、うたげの準備。あーソレ〜♪
♪〜それから、騎士様、どうなった?〜♪
♪〜北ゆく鳥よ、伝えておくれ。ルディアノで待つ、しらゆり姫に、
黒バラ散ったと伝えておくれ。〜♪
♪〜北ゆく鳥よ、伝えておくれ。黒バラ散ったと伝えておくれ。〜♪
ソナおばあちゃんいわく、
「ルディアノを探すなら、「北ゆく鳥よ」の部分がキーワードになっていると思うのだと、思いますけどねえ。」
クロエおばあちゃんいわく、
「魔物を倒すべく、城を出た騎士とその帰りを待つ姫さまのお話がわらべ歌の元になっているのよ。」
2人のおばあちゃんは、
「わらべ歌を歌うなんて、何年ぶりかしら。」と懐かしんでいた。
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(第15話に続く)