ばあやのわらべ歌を聞いて、ルディアノ城の手がかりを探すため、
ひかるたちは、北の方に向かってみることにした。
そして、ばあやの家を出て、村の入り口に向かっていると、男性の悲鳴が聞こえた。すぐさま、
ひかるたちは向かってみる。
悲鳴は、村のきこりのものであった。目の前には、黒騎士の姿があった。黒騎士もまた、この村にたどり着いた。
きこりが言うには、どうも、北の森の中で、黒騎士のことを探していると言う女の魔物に出逢ったようだ。その魔物は、真っ赤な目を光らせながら、
「わがしもべ、黒い騎士を見なかったか?」と言っていたそうである。
黒騎士は、そばにいた、
ひかるに気がついた。黒騎士が、
「その後、何か分かったか?」聞いてきたので、
ひかるは、黒騎士が、ばあやのわらべ歌の中で、黒バラの騎士として登場していることを言った。すると、黒騎士は、
「おとぎの国の住人なのか?」と驚いていた。黒騎士もまた、わらべ歌の中にあった。北ゆく鳥を追うことにした。
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現在のステータス
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北にあった、薄暗い森を進むと、遺跡にような、朽ち果てた城が見つかった。あたりには、雷鳴がとどろき、不気味さを伝えていた。
また、同じころ、黒騎士も到着していた。
「これが、ルディアノ城だと言うのか?」
城の奥に進むと、玉座のある場所にたどり着いた。すると、不気味な女性の声が聞こえた。
「ククク、おかえりなさい。レオコーン。すいぶん探したけど、やはり、ここに来たのね。」。黒騎士は、女性の魔物が
イシュダルであることに気づく。
「思い出した。私は、キサマを討つべくルディアノ城を飛び出し、、」。そして、
イシュダルに敗れ、永遠の口づけを交わした。そして、黒騎士
レオコーンと
イシュダルは、数百年の間、闇の世界で2人きりとなった。
「だまれ、キサマのせいで、、、メリアは、、、」。黒騎士
レオコーンが
イシュダルに盾突こうとした瞬間、
イシュダルから黒い光が飛び出し、
レオコーンは、その場に倒れた。
イシュダルが、
「あの大地震のせいで、私の呪いは解けてしまった。けどいいわ、もう一度かけてあげる。2人きりの闇の世界にいざなう呪いをね。」と言っていると、
ひかるたちに気がついた。
「アラ、な〜にアンタ、まさか、レオコーンを助けようとしているんじゃないだろうね。ククク、あんたも馬鹿ねぇ。この男にかけられた呪いの威力を見ていなかったの? いいわよ、アンタにもかけてあげる。私のとびきりの呪いをね。」。しかし、
ひかるは、呪いをはじいた。
「なぜ、私の呪いが効かない。お前は、何者だ。人ならば、私の呪いにかかるはず。もしや、お前は、こうなったら、ずたずたに切り刻んで、あの世に葬ってやる。」
妖女イシュダルと戦闘。まひ攻撃に苦戦するが、倒す。
敗れた
イシュダルは、
「くちおしや。再び、、、レオコーンと私だけの世界がよみがえるはずだったのに。。。でもね、レオコーン、数百年の時は戻すことはできない。。。愛するメリアはどこにもいない。。。絶望にまみれ、永遠にさまよい歩くといいわ。」
レオコーンの意識がもどり、立ちあがった。
「メリア姫、、、そんな、まさか、、、」
レオコーンは、
ひかるに言った。
「そなたの手を借り、ようやく、ルディアノにたどり着いたと言うのに、時の流れとともに、王国は滅び、私の帰りを待っていたはずのメリア姫は、もういない。。。わたしは、戻ってくるのが、遅すぎた。。。」
すると、
「遅くなど、ありません。」どこからか若い女性の声がした。
振り向くと、首飾りをした、
フィオーネ姫がいた。
レオコーンは、
「その首飾りは? メリア姫、、、!? そんな、あなたは、もう、、、。」
姫は、
「約束したではありませんか。ずっとずっと、あなたのことを待っていると、、、。さあ、黒バラの騎士よ、わたしの手をとり、踊ってくれますよね。かつて、果たせなかった、婚礼の踊りを。」
レオコーンは、
「メリア姫、、、この私を許してくださるのですか!」そう言うと、2人は、果たせなかった、婚礼の踊りを始めた。
レオコーンは、
「ありがとう、異国の姫よ。あなたがメリア姫でないことは、分かっていた。しかし、あなたがいなければ、意のまま、絶望を抱え、永遠にさまよっていたでしょう。」と言った。
フィオーネ姫は、
「あなたは、やはり、黒バラの騎士様だったのですね。はじめて、お会いした時から、ずっと、運命のようなものを感じておりました。」。
最後に、
レオコーンは、
「メリア姫の記憶を受け継ぐ、あなたならば、そのように思われたのも、不思議では、ありません。そなたのおかげで、すべての真実を知ることができた。もう、思い残すことはない。ありがとう。」
そう言って、
レオコーンは、昇天した。
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昇天後、
フィオーネ姫は、
「あなたにお任せしたはずなのに、あの方のことを考えていたら、ここまで来てしまいました。。。不思議なこともあるものですね。あの方と踊っている間、どこからか声が聞こえたのです。やさしい女の人の声で、よく来てくださいましたね。フィオーネありがとうって。」もしかしたら、それは、
メリア姫だったのかもしれない。
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フィオーネ姫が、ひとまず先にセントシュタイン城に戻り、
ひかるたちも戻ろうとすると、
サンディが言った。
「レオコーンってガイコツになる前は、きっと、いい男だったんでしょーね。見てみたかったなあ。チェッチェッ。」と。
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(第16話につづく)