もともと貧しい漁村だったが、大地震のせいでまずます魚が取れなくなってしまい、村人は大変な想いをしていた。とくに、オリガと言う子はまだ子供なのに、親父さんを亡くして天涯孤独になってしまった。
しかし、いつからか、浜で泣いていた
オリガのもとに、
ぬしさまが現れて、以来、毎日、魚をくれるようになった。
また、それ以来、村人は、漁に出ていない。そのため、東の大陸に渡りたいと言う旅人が現れても、断わっているという。
入口のじいさんによると、夜が明けるととてもありがたい光景が見れるそう。
しかし、このことに疑問を持つ幽霊もいた。
「この村は、病んでおる。なぜ、このようなことが起きているのじゃ。」
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翌朝、昨日言っていた、
「ありがたい光景」が、浜辺で始まるようだ。
オリガという少女が、海に向かって祈り始めた。
「ぬしさま、海の底より、おいでください。
どうか、わたしたちに、おちからを、
ツォの浜のため、海のめぐみを、おさずけください。」
すると、
ぬしさまが現れた。
ひかると
サンディは、しぶきでびしょぬれになってしまった。
気が付くと、浜には、大量の魚が上がっていた。村人が喜ぶ中、
サンディだけがサイアクな気分だった。
ぬしさまが去った後、
オリガは、
「夜に家に来てほしい。」と言ってきた。
ひかるたちは、宿屋で夜になるのを待って、
オリガの家に向かうことにした。
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(第28話に続く)