ひかるたちが、
「狩人のパオ」に着くと、パオの中から物音が聞こえた。
ナムジンは、まだ抵抗をしているようだった。
ひかるたちは、ほかの遊牧民に、
「あやしいやつ。」と思われたようで、パオの中に入れられた。
ナムジン、
「キミは、この前の・・・。いったい僕になんのようだい。」
ひかるは、遊牧民に事情を話した。
遊牧民、
「なんと、族長に頼まれて、魔物退治に協力してくれるだか。」
集落から魔物を追い払った人が協力してくれるなら、これほどたのもしいことはないということで、早いこと出発することになった。
しかし、
ナムジンは逃げ出してしまった。
別のパオに、
ナムジンはいた。
ナムジン、
「ひかるさん。あなたは、父上に言われて、ぼくを手伝いに来たと言いましたね。みんなは、父上をねらっていると言っていますが、あなたも本当にそんなふうに見えたのですか?」
ひかる、
「いいえ。」
ナムジン、
「あなたは、話が分かる方のようですね。まあ、どちらにしても、魔物退治はする気はないので、手伝いは、必要ありません。」
サンディ、
「魔物退治してくれないと、果実探し手伝ってもらえないじゃん。」
ナムジンは、ひとりで北の橋にむかったようだ。
ナムジンは、北の橋で、すぐに見つかった。西に向かったようだ。
ひかるも付いていく。
「なにか秘密をもってそうだ。」
ひかるは、
「タダマルタ山」と呼ばれる山の洞くつに行きついた。そこには、お墓があった。
ナムジンと、さきほど集落を襲った魔物がいた。
ナムジン、
「あのようなやり方では、シャルマナを倒すどころか、お前が殺されてしまうぞ。お前が死んでは、母上もあの世で悲しむ。命を粗末にしてはだめだ。今は、ここで、母上の墓を守っていてくれ。」
ナムジン、
ひかるに気づく。
ナムジン、
「あ、あなたは。まさか、こんなとこまで来るなんて! 今の話を聞かれたからには、仕方ないですね。あなたには、お話ししておきましょう。」
「この魔物は、ぼくの友達で、ポギーといいます。昔、草原で倒れていたところを、僕と母上で手当てしてから、なつくようになったんですよ。ポギーが集落を襲う本当の目的は、シャルマナを狙ってのことです。あの女は、あやしげな術で、草原の民をたぶらかし、よからぬことをたくらんでいる。ぼくは、うつけの振りをして、あの女の正体を暴こうとしてますが、いったいどうすればいいのか・・。これで、すべてお話ししました。今の話は、誰にも言わないでください。」
ナムジンと
ポギーは洞窟を後にした。
幽霊、
「このままでは、おまえは、シャルマナに殺されてしまう。」
ひかる、幽霊に近づく。
幽霊、
「私の名は、パル。カルハドの族長、ラボルジュの妻です。旅の方、あなたを見込んでのお願いがあります。はるか東の岩山に、魔物に滅ぼされたと言うカズチャという村があります。その村に眠る、アバキ草をナムジンに渡していただけないでしょうか? あの子なら、アバキ草をうまく使ってくれるはず・・・。」
ひかるは、カズチャ村に向かった。
--------
(第46話に続く)