これから、北東の関所に行くのであるが、
ひかるたちは、1つ忘れていたことがあった。ウォルロ村で、セントシュタインの兵士が頭痛薬として欲しがっていた、
「ウォルロの名水」について聞くことであった。なので、ちょっと寄り道して、ウォルロ村へと向かう。
「ウォルロの名水」のことを知っている人は、すぐに見つかった。それは、滝の前にいる男性だった。その男性によると、以前は、滝の水を、
「ウォルロの名水」として、何でも効く万能薬としてあちこちに配っていたのだが、最近は、飲んだ後、腹を壊す人が多発して、今は、配っていないようだ。ただ、
「きよめの水」という水があれば、腹を壊すと言う副作用は抑えられるとみているようだ。なので、残念ながら、
「ウォルロの名水」は、手に入らなかった。
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ひかるたちは、このあと、
「北東の関所」に向かった。そこには、商人がいたのであるが、どうやら、この先の町からの帰り道のようだ。詳しく、話を聞くと、町がどえらいことになっていて、商売どころじゃなくなり、ひき返してきたようだった。とえらいことになっていると言うことは、人助けのチャンスと言うことで、
ひかるたちは、先の町に向かうことにした。この町は、
「ベクセリア」と言うらしい。
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しばらく歩くと、
「ベクセリアの町」に到着した。予想通り、町には、人がおらず、重苦しい雰囲気が漂っていた。事情を聞くため、町の奥にある、
町長さんの家を訪ねた。
町長さんによると、ベクセリアの町には、はやり病が広がっているようだった。しかも、このはやり病は、100年前にもあったようで、100年前の古文書を当たっているのだが、
町長だけでは、解読できず、町の考古学者である、
ルーフィンに頼んでいた。
町長は、こちらから聞くのは、しゃくにさわるとのことで、ちょうど誰かに頼もうとしていた。
そこで、旅の客人ならば、大丈夫そうだった感じで、無理やり、
ルーフィンの様子見を頼まれてしまった。
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町長が示した、
ルーフィンの家に向かうと、ひとりの女性がいた。
この女性は、
ルーフィンの奥さんだった。
町長に頼まれて、
ルーフィンの様子見を頼まれたことを話すと、
ルーフィンは、お仕事中で、研究室にいると言うことで、
「それなら、わたしが一緒に行って、研究室の扉を開けてもらいますね。ルーくん、人見知りするから。」。奥さんは、
ルーフィンのことを、
ルーくんと呼んでいるようだ。また、奥さんの名前は、
エリザだそうだ。
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ひかるが、研究室に到着すると、すでに、
エリザは、到着していた。
「パパったら、ルーくんに会うのが気まずいからって旅の人に頼まなくても。ケホッ、ケホン。」と言いながら、扉をノックした。
エリザは、
町長の娘さんのようだ。それにしても、彼女の声は、やけに枯れていた。大丈夫だろうか?
エリザが、パパのお使いの人から、古文書の解読状況を聞きたがっていることを扉越しに伝えると、研究室の中に入れてもらえた。
古文書の解読は、ある程度進んでいて、それによると、100年ほど昔、この町の西で遺跡が発見され、軽はずみにも、遺跡の扉を開いてしまった。その中に病魔と言う、恐るべき災いが眠っていることも知らずに。。。この病魔こそが、今広がっている、はやり病の元凶で、病魔と言うより呪いの一種らしい。当時の人々は、病魔を封印し、遺跡の入口をほこらでふさぐことで、呪いからのがれたそうだ。なので、今、そのはやり病が再発していると言うことは、なんらかの原因で、ほこらに異変が生じた可能性が強い。思い当たるのは、大地震だろう。
ほこらの封印ができるのは、考古学者の
ルーフィンだけなのであるが、遺跡には、魔物が出る。
ひかるは、とりあえず、解読結果だけを
町長に報告することにした。
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町長に解読結果を報告すると、
ひかるたちを見て、腕が立ちそうだと判断した
町長は、
ひかるに頼んだ。
ひかるたちは、快く了承し、ほこらを開ける為の
「ほこらのカギ」を貰った。
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(第18話に続く)