ルーフィンの遺跡の調査が気になったので、
ひかるたちも、遺跡の地下に行ってみた。すると、石碑が一つあった。石碑を見てみると、
「名をうばわれた王」の墓であった。しかし、この王様については分からなかった。
ふと、気が付くと、王様の幽霊が近くにいた。名をうばわれた王のようだったが、幽霊自身も何も思い出してくれなかった。
ルーフィンは、もう少し遺跡の調査をするとのことで、
ひかるたちは、先に町に戻って、
エリザにそのことを伝えることにした。
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ベクセリアの町に戻ると、町の人の容体が良くなっていた。
ひかるたちは、
エリザのいる
ルーフィンの家に向かった。すると、
エリザは、寝ているような感じで、全く動かなかった。明らかに様子がおかしかった。そこへ、
ルーフィンが、資料を取りに戻ってきた。
ルーフィンは、
エリザの様子に気が付き、駆け寄った。
エリザは、息をしていなかった。
「どうしたんだ。エリザ!? 返事をしてくれっ! 死んでいる・・・のか?」
ルーフィンは、気づいた。
エリザは、
ルーフィンに、病気のことを隠していたことを。
「遅かったのか? ぼくが病魔を封印したときには、もう、キミは・・・。どうして、どうして、言ってくれなかったんだ!! キミが病魔の呪いのおかされていると知っていれば、もっと急いだのに・・・。エリザぁぁぁ・・・!!!」
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翌日、
エリザの葬儀が行われた。
その席で神父は、
「ベクセリアの民は、おおいなる試練を乗り越えました。しかし、その結果、我らは、かけがえのないもの・・・エリザさんを失いました。この犠牲は、あまりにも重くわれわれの心にのしかかってきます。ですが、彼女は、私たちに、人がいかに強くあれるかを教えてくれました。残された私たちは、彼女の強さに学び、悲しみを乗り越えていかなければなりません。さあ、彼女がうれいなく天に召されることができるようともに祈りましょう。」
しかし、
ルーフィンは、この場に現れなかった。。。
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サンディは、
「せっかく、町を救ったのに、この雰囲気じゃ星のオーラは出てこないよネ。」
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葬儀後、
ひかるたちは、町長の家の前で町長の独り言を聞いてしまった。
「ルーフィンの奴め、エリザの葬式にも出ずに、閉じこもってしまいおった。あんな男と結婚して、本当に幸せだったのか・・・。」
町長が
ひかるに気づいた。約束のお礼のことだと思った町長は、
「今は、そんな気分でないから、夜に来てください。」と言った。
宿屋で一休みをし、夜に、再度、町長の家を訪れた。
ひかるたちは、お礼に、はねかざりバンドを貰ったが、
サンディは、ちっとも嬉しくなく、不機嫌そうだった。
「エリザって子が生きていれば、星のオーラ、がっぽりだったのに。。。」
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ひかるが、ふと、教会の墓の前にに行くと、女性の幽霊がいた。
エリザだった。
「私、死んじゃいました。。。って、もしかして、私のことが見えるんですね!? すっご〜い! どこか、普通の人と違うと思っていたけど、ひかるさん、霊能者だったんだ。はあ〜。よかったぁ。ひかるさんがいてくれれば、なんとかなるかも。お願いなんですけど、ルーくんを立ち直らせるために協力してもらえませんか? このままだと、ルーくん、ダメになっちゃうと思うんです。だから、お願いします。」
ルーフィンを立ち直らせることができれば、星のオーラが出るかもしれない。
ひかるたちは、協力することにした。
まずは、
ルーフィンに出てきてもらわなければならないので、研究室の扉の前に行き、
エリザの幽霊が言う通りのノックをしてみた。すると、
ルーフィンは、
「エリザなのかい?」と言って、外に出てきた。しかし、
エリザの幽霊が見えない
ルーフィンは、それを、そばにいた、
いたずらと勘違いした。さらに、たまたま上にいた男性が、
「はやり病を止めてくれてありがとうよ。みんな、あんたらを心配してたぜ。」と言ったので、事態は、さらに混乱してしまった。そこで、
エリザの幽霊が、
ひかるに、
ルーフィンに、生前の最期の言葉として、
「ルーくんが病魔を封印したことで救われた人たちに会ってほしい。」と伝えてほしいと言ったので、
ルーフィンにそのまま伝えた。
ルーフィンは、ずっと、研究室に閉じこもっていたので、町の誰が病魔に侵されていたのかまったくわからなかった。そこで、
ひかるたちが連れて行くことにした。
まずは、おじいさん。
「げほっ、げほっ!!」とせきをしていた。
ルーフィンは、
「病魔の呪いは解けたはずなのに。」と言ったが、
ひかるは、
エリザの幽霊が言う通り、
「ただの風邪です。」と
ルーフィンに伝えた。
ルーフィンは、
「そうなんですか。よかった。」と言った。
続いて、若い男性、この男性の家では、妻と娘の2人で、はやり病におかされていた。男性は、
「本当に、夜も眠れぬ日々でした。あのままでは倒れていたかも。。。だから、先生は、僕自身の恩人でもあるんですよ。」と言った。2階に行くと、娘がすやすや眠っていた。
「こんな小さな子供まで、はやり病にかかっていたんだ。誰が病気にかかっていたかも知らなかったなんて、僕は、いままで何を見てきたんだろう。。。」。
エリザの幽霊は、
「落ち込まないで、ルーくん。ルーくんがいなかったら、みんな助からなかったんだよ。」
さらに、宿屋の旅人夫婦。
「あっ。あなたが、はやり病を治してくれたと言う、ルーフィン先生なんですか。」。妻は、
「もう少しで、ダーリンとお別れになっちゃうところでした。大したお礼もできないですけど、ぱふぱふくらいなら。」。
ぱふぱふされそうになった、
ルーフィン。さすがに、これは逃げようとする。
エリザの幽霊は、
「いやらしい格好して、ルーくんを惑わせないでよ。」
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その後、
ひかるたちは、
ルーフィンとともに、研究室に戻った。
ルーフィンは、
「ありがとうございました。おかげで、エリザが言いたかったことが分かった気がします。何をやるにも、自分のことばかりで、周りが見えてなかったんですね。」
ルーフィンは、これからも、ベクセリアの民と一緒に生きていくことにした。
エリザの幽霊は、
「ルーくんを助けてくれて、本当にありがとうございました。私、死んでるのに、自分の夢をかなえることができちゃいました。ルーくんのすごいところを町のみんなに知ってもらうこと。ルーくんにこの町を好きになってもらうこと。」
どうやら、そろそろ、時間が来たようだ。
エリザの魂は、天に召された。。。
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日の出の近い時間、
ひかるは、宿屋に戻った。この日は、宿屋で、昼間まで眠っていた。昨日までの重苦しい雰囲気から一転、町は、活気を取り戻していた。
今度は、星のオーラもたくさん、天の箱舟も動き出すかもしれない。町を出る前に、
ルーフィンの研究室に寄った。
ルーフィンは、
「今後は、自分の学問をこの町のため、世の中のために役立てて行こうと思います。」と言った。
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ひかるたちは、今度は、天の箱舟が動き出すかもしれないと言うことで、セントシュタイン経由でとうげの道に向かうことにした。
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(第20話につづく)