ルーフィンとの一件が終了後、
ひかるたちは、今度は、天の箱舟が動き出すかもしれないと言うことで、セントシュタイン経由でとうげの道に向かうことにした。
途中、セントシュタインの
リッカの宿屋で一泊することにした。
リッカの元に行くと、
ひかるがすっかり有名人になっていることを知らされる。また、今回の話は、それだけではなかった。宿屋の地下室を掃除していたら、妙な釜みたいなものを発見したと言う。
どうも、この釜は、
「錬金釜」と呼ばれるものらしい。昔、まずしい宿泊客が宿代の代わりに置いて行ったというものであった。
リッカは、使い方は分からないが、飾りとしてカウンターの横に置いておくことにした。
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ひかるは、錬金釜に興味があったので調べてみることにした。すると、
「わたくしは、寝てはおりません。」、なんと、釜がしゃべった。
「どうも、あなたには、わたくしの声が聞こえているようですな。お初にお目にかかります。わたくし、錬金釜のカマエルと言います。」、なんと、釜が自己紹介した。釜は、
ひかるが、自分に仕えるべき人と判断すると、錬金術の説明を始めた。錬金術とは、アイテムとアイテムを掛け合わせて、より優れたアイテムを作りだす奇跡の神業のことらしい。そして、錬金釜は、錬金を行うための釜らしい。
ひかるは、
「錬金レシピブック」を手に入れた。世界中の本の中にレシピがあったら、このレシピブックに書き加えて活用できる。
ひかるは、ためしに、何かを錬金してみることにした。ちょうどやくそうをたくさん持っていたので、
「特やくそう」を作ってみることにした。レシピブックによると、
「特やくそう」を作るには、
「上やくそう」と
「やくそう」を錬金すればいい。そして、
「上やくそう」を作るには、
「やくそう」を2つ錬金すればいいことが分かった。なので、まず、釜にやくそうを2個入れてみた。すると、瞬く間に、上やくそうが釜から出てきた。続いて、出てきた
上やくそうとやくそうを再び釜に入れる。すると、あっという間に
「特やくそう」が完成した。
とりあえず、釜は重たいうえ、割ってしまうと涙目なので、カウンターに置いておき、必要になったら、
リッカの宿屋に来て使うことにした。
錬金を終える時は、釜が、
「ご利用ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております。お嬢様。」と見送ってくれた。
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セントシュタインを後にした、
ひかるたちは、とうげの道を目指すことにした。
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(第21話につづく)