ツォの浜の村長の家にて、
ひかるは、目覚めた。
目の前には、
トトがいた。
「旅人さんって、強いんだね。ぼく、頑張って、大人になるよ。そして、旅人さんみたいになる。」
そのころ、
村長は、
「ぬしさま、おゆるしを。」。うなされていた。
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ひかるたちは、東の大陸に行くため、浜の人とは、お別れとなる。
そして、お別れのとき、
トトは、
「きっと、これから、いろんなことがあるよ。海のこと、浜のこと、いっぱい、僕、分かるようにならなくっちゃ。気をつけてね。たまには、この浜に帰ってきてね。それと、オリガにも会ってあげて。」
オリガ、
「旅人さん。あの・・・、ほんとうにありがとうございました。もうぬしさまは呼べないって事、みんなにわかってもらえました。お父さんがぬしさまだったなんて、この目で見ていたことなのに、なんだか、夢を見ていたみたい。あの時、本当は、ぬしさまになったお父さんでもいいから、もっと、一緒にに入れたらって考えちゃった。でも・・・、あんなのよくない。お父さんがかわいそうだもの。浜では、また漁を始めることになって、あたしも、船に乗せてもらえるようになったんです。けど、すぐってわけにはいかなくて、いまは、網の片づけ方を教わっているんです。あたし、頑張りますよ。お父さんもお母さんも見守ってくれる。それに、トトだって、いてくれるもの。」
そして、漁船で、東の大陸へと向かった。
サンディ、
「まさか、人間の船にお世話になる日が来るなんてね。」
しばらくすると、船着き場に到着した。
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(第31話につづく)