ひかるたちは、ルーラでカラコタ橋に戻り、街道を東へと歩き、花の町
「サンマロウ」を目指した。途中の分岐は、ビタリ山でない南へと進む。
1日後、到着した。
ここには、立派な船があり、これを使えば、世界中、どこでも旅をすることができる。船を手に入れるには、町で一番大きな屋敷に住む、
マキナという女性と友だちになる必要があるという。
屋敷に行く前に、町を散策。道具屋では、まほうのせいすいを売っていたので、セントシュタイン城のイロホン用に3個購入した。看板を見て気付いたのだが、この道具屋の名前は、
「ラブリーワゴン」。おそらく、道具屋の人は、
「世界をまたにかける恋愛」が好きだったに違いない。
屋敷には、翌日行くことにした。ここの宿屋は、宿王グランプリ2位の立派な宿。無論、1位は、セントシュタインの宿屋なのだが。。。宿屋には、以前、屋敷で働いていたという人に多数会うことができた。ここでは、屋敷のうわさを聞くことができる。
メイドいわく、
「マキナ様は、おおきな屋敷でひとりぼっち。だから、町の人に付け込まれてしまうのです。」
コックいわく、
「マキナ様は、生まれつきお体が弱くてねぇ。ずっとベッドで横になっていたのさ。でも、不思議な果実を食べてから、すっかり元気になったけどね。」
翌日、町長の家にも言ってみた。
町長いわく、
「光る果実は、万病に効くらしいぞ。マキナ様は、光る果実を食べた途端、不治の病が治ったそうじゃ。」
ここにも、女神の果実があるようだ。
次に、船着場に行ってみた。
船着場の老人、
「立派な船じゃろう。かつて、世界の海を自由自在に旅していたんじゃ。しかし、持ち主の大商人様が亡くなられてから、ほったらかしじゃ。」
ひかるは、船がほしいことを老人に言った。すると、老人は、
「マキナおじょうさまに船をくれと頼んでみるといい。」と言った。
船着場の老人と知り合いになったことで、ようやく、屋敷に入ることができた。入って右側に部屋に、
マキナおじょうさまは、いた。
マキナ、
「こんにちは。ごきげんよう。今日は何をして遊びましょう。」
マキナは、
ひかるに近づいた。
「初めて会う方ね。船がほしいの? いいわ。」、しかし、
マキナは、すぐに、
ひかるが、町の人間とは違うのを察知した。
「あなた、マキナを迎えに来たのね。うそ、私知ってるわ。あなたは、マキナを迎えに来た。あなたなんか、お友だちじゃないわ。船もあげない。帰って!!」。
ひかるは、わけわからぬまま、部屋を追い出されてしまった。
近くにいた女性は、
「あなたが変なことを言って、マキナを怒らせるから、(お友だちになれないと、)こっちは生活がかかっているのよ。うばさんに相談しようかな。」と言っていた。
ひかるたちも、このまま食い下がっては、船がもらえない。うばさんに相談するため、うばの家に向かった。
うばさんいわく、
「ええ、マキナ様がお部屋に閉じこもってしまったんですか? でも、私が行って、会ってくれるかどうか? マキナ様は、病気が治ってから、別人のように気難しくなり、使用人には、口を利かなくなった。でも、一人だけ心を開くのが、お気に入りの人形を作った、からくり職人だけ。」
ひかるは、からくり職人の家に行った。
からくり職人は、話を聞くなり、
「これは心配じゃ。」と言って、一緒に屋敷に行ってもらえることになった。
屋敷に向かうと、様子がおかしかった。
マキナの部屋の扉が開いていた。
マキナおじょうさんも人形も見当たらない。代わりに、手紙がベッドに残されていた。そこには、
「娘は預かった。返してほしければ、金を北の洞くつに持ってこい。」
マキナは、さらわれた。
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(第36話に続く)