ひかるたちは、
マキナがさらわれたという、北の洞くつに向かった。
北の洞くつは、誘拐犯のアジトになっていた。しかし、誘拐犯2人は、人質の
マキナに関してトラブルになっていた。
「おいおいおい! どうなっているんだ。」
「あの娘、親なんかいないって言ってますぜ。しかも、屋敷の使用人も全員クビにしちまったから、誘拐に気づく奴なんていないって。そういや、あの屋敷、人の気配がなかったな。」
アニキいわく、
「ばっきゃろー! あきらめるな! 家族がいなくても友だちか誰か一人くらいいるだろう。もうしばらく待つんだ。きっと誰かが俺たちのために、身代金持ってきてくれるさ。」
別の誘拐犯の男、
「かっこいいぜ! アニキ!」
奥に進むと、
「いらっしゃいませ。どうぞ椅子にお座りください。」の立て札があった。
ひかるは、立て札の通り、近くの椅子に座って待った。すると、誘拐犯の
アニキがやってきた。
「あんた、まさか、身代金を。わかってます、わかってます。マキナお嬢さんの、あんたすばらしい人だ。誘拐した甲斐があった。大丈夫、お嬢さんは元気にしていますよ。かすり傷つけていません。」
アニキは、
別の誘拐犯の男に、
マキナを連れてくるように指示をした。
しばらくして、
別の誘拐犯の男が戻ってきた。
「アニキ、たいへんだー!! 捕まえていたお嬢さんが逃げてしまった。」
ひかるたちは、
マキナを探すため、奥へ。
マキナを捕えていた牢獄は鉄格子が壊されていた。誘拐犯によると、奥には、メタルハンターが住み着いており、
マキナがやられてしまうかも知れないという。
奥に進むと、石碑があった。これより先は、誘拐犯も足を踏み入れていない領域だった。石碑には、こう書かれていた。
「旅人よ、心せよ。ズオーに出会いし時、そなたの旅は終わるであろう。」
さらに、先に進むと、
マキナの姿があった。いや、
マキナではなく、
マウリヤである。
マウリヤは、言った。
「あら、ごきげんよう。・・・マウリヤ。どうして、私の名前を知ってるの? わたし、新しいお友だちに会いに来たの。ひげとマスクのお友だち。でも、ちっとも楽しくないから散歩してたのよ。あなたは? おさんぽ?」
すると、
「ズオオオオオーーーー!!」と音を立てながら、魔物がやってきた。
マウリヤは、
「とってもユニークね、友だちにならない?」と言うとすぐに、魔物は、
マウリヤを地面にたたきつけた。
マウリヤは、動かなくなった。
おそらく、この魔物は、先ほどの石碑に出てきた、ズオーだろう。
ひかるたちは、ズオーと戦闘の上、倒した。
誘拐犯が
マウリヤのところに近づくと、息をしていなかった。
「死んでる。」。しかし、次の瞬間、
マウリヤは、起き上がり、
「ああ、びっくりした。」と言った。
死体がよみがえったと思った誘拐犯は、怖くなり、逃げ出してしまった。
マウリヤは、自分がバケモノ扱いされたと思った。
すると、どこからともなく、声が聞こえた。
・・・あなたは・・・
・・・バケモノじゃない・・・
・・・大切な私のお友だち・・・
ごめんなさい。もう遊べないのよ。もう二度と遊べないの。
・・・マウリヤ・・・
・・・大好きなお友だち・・・
・・・ありがとう・・・
それは、
マキナの声だった。
マウリヤは、元の人形に戻ることを決意した。
サンマロウの町に戻った
ひかるたちは、大好きなお友だちの墓に供えてあった人形から、女神の果実を手に入れた。人形は、それっきり動くことはなかった。
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(第38話に続く)