ひかるは、
ティルを追うため、希望の泉に向かった。
奥のほうにかがんで入れるくらいの小さな穴があった。
ひかるは入ってみた。
そこには、
ティルがいた。
ティル、
「ひかるさん。僕を探しに来てくれたんだね。ごめんね。村を飛び出したりして。ナザムの人は、よそ者嫌いなんだ。ずっと昔、村の女の人がよそ者を連れ込んでひどい目にあったから。僕もよそ者なんだよ。遠い町から親戚のおじさんに引き取られたの。ひかるさんも村から出ていけって言われたんでしょ。これからどうするつもりなのかな。あの黒いドラゴンを追いかけてもまたやられちゃうかも・・・。そうだ、ドミールにいるグレイナルに会えばチカラを貸してもらえるかも。それには、ドミールに行かなければいけないけど、いい事を知っているんだ。村の人たちが秘密にしているナザムの言い伝えをひかるさんに教えてあげるね。」
「ドミールの道をめざす者、現れし時。像の見守りし地に封じられた光で竜の門を開くべし。」
ティル、
「像の見守りしってのは、ここから、ずっと西にある、魔獣の洞くつって呼ばれているところらしいんだ。でも、洞くつの入り口は、封じられていて、それを解く方法は、だれも覚えていないんだって。ごめんね。肝心なところでひかるさんの役に立てないや。」
ティルは、村に帰って、できることがないか探すことに。
ひかるも村で手掛かりを探すことになった。
穴を出ると、女性の幽霊と再度会った。
「また、ここに来てしまった。あの人を見つけることも出来ずに・・・。」
ひかる、
「あなたは、どこかで。」
幽霊、
「あなたには、見えるのね。これまで、誰も私には、気付くことはなかったのに。私の名は、ラテーナ。ひとつお願いを聞いてほしいの。今の私にはできないことだから。ナザム村に置いてきてしまった大切なものを見つけてきてほしいの。守護天使の像・・・足元を探して。そこに隠したはず。」
ひかるは、ナザム村に戻った。
ラテーナの言うとおり、
ひかるは、ぼろぼろの守護天使の像を調べた。
サンディ、
「このぼろっちぃのが、守護天使像、これの足元に何かがあるって女の幽霊が言ってたっけ。」
サンディは、周りを調べた。
サンディ、「なにもないんですケド。ひかる、あんたもぼーっと見てないで、調べてみなさいって。」
ひかるは、守護天使像の足元を調べた。しかし、なにも見つからなかった。
サンディ、
「やっぱ。なにもないよね。アタシたち、もしかして、だまされた?」
そこに、
ティルがやってきた。
ティル、
「あれあれ、ひかるさん、なにしてるの? この守護天使さまの像に何か秘密が? 違うの? この像の足元に何かが埋まっているはずだって。でも、見つからないんだ。」
ティルは、何かに気づいた。
ティル、
「あのさ、前から思っていたんだけど、僕がいた町だとさ、守護天使さまの像って、とっても目立つ所にあって、みんなに大事にされてたよ。なのに。この村じゃ、こんなところでほったらかしにされたままでさ。おかしいと思わない? だからさ、この像も本当は、別のところにあったんじゃない? もっと、綺麗でみんなが集まるところで大切にされていたと思うんだ。ぼく、村長さんに買い物を頼まれていたんだ。何を買うんだっけ、もう一度聞いてこよう。」
サンディ、
「変な子。でも、この像は、もっとほかのところに・・・か、お子様の言うことだけど、納得できるカンジ? ここにないのは、確かだし、他のところも探してみましょ。」
村人が集まると言えば、寄り合いが行われた教会。入口前の神父が意味深なことを語った。
「この教会に置かれている石碑は、もともとは・・・、いえ、なんでもありません。旅の方に話すことではありません、」
やはり、奥の石碑に間違えないだろう。石碑の下には隙間があった。
ひかるは、隙間を調べてみた。すると、石碑の下で何かが光った。
ひかるは、石碑の下から首飾りを見つけた。
ひかるは、星空の首飾りを手に入れた。
ひかるは、幽霊のいる希望の泉に再び戻った。