ラテーナ、
「私のお願いしたもの、見つかったみたいね。それは、あの人が私にくれたたいせつな首飾り。天使が近くにいると光を放つってあの人が言ってた。まさかとおもったけど、あなたもあの人と同じ、天使なのね。でも、私にとって、天使はあの人だけ。その首飾りをくれたあの人だけ。さあ、私に返して。」
ひかるは、
ラテーナに星空の首飾りを渡した。
ラテーナ、
「ああ・・・、見える・・・あの人が・・・。」
ラテーナ、
「あの・・・だいじょうぶですか?」
ラテーナ、
「ええ、これってつばさ・・・。この人はいったい・・・?」
ラテーナ、
「それじゃ、本当に天使なの? あんな大けがをしても生きてるなんて、普通の人間ではないと思ったけど、背中のつばさも本物なのね。このナザム村は、エルギオスと言う守護天使さまに守られているって小さいころから聞かされていたの。まさか、本当に天使がいてしかもこうして会えるなんて・・・!」
先代の村長、
「なんじゃ、おまえさんがたは、この村にめぼしいものはない。すぐに出て行ってくれ。」
ガナンの兵士、
「そうは行かぬ。この世のすべては、わが、ガナン帝国のもの。たとえ、こんなちっぽけでゴミだめみたいな村でもな!」
先代の村長、
「われわれには差し出せるようなものは何もないわい。」
ガナンの兵士、
「フン・・・、そうかな?」
ガナンの兵士、
「モノとは限らぬ。あの娘はなかなかきりょうが、よさそうではないか?」
先代の村長、
「娘を差し出せと言うのか!?」
ガナンの兵士、
「クククク・・・。」
ラテーナ、
「いやです! 離してっ。」
ガナンの兵士、
「来るのだ。さもなくば、この村がどうなるかわからんぞ?」
先代の村長、
「やめるんじゃ。ラテーナを返せっ。」
ガナンの兵士、
「じいさんは、ひっこんでな!」
ガナンの兵士、
「うぎゃあああ。このチカラ? キサマは、まさか・・・。ガナン帝国に逆らうなど! それがどれだけ愚かなことかあとで思い知らせてくれる。退却だ、退却しろーっ。」
ラテーナ、
「私のせいで、あの人は・・・。だから、私は、あの人を探し続けなければならない。首飾りを見つけてくれたお礼に願いを聞くわ。私にできることなら、なんでも。」
サンディ、
「あんたサ。村の人だったんなら、魔獣の洞くつ・・・だっけ。そこの入り方とか、知らない?」
ラテーナ、
「まあ、かわいい。妖精さん?」
サンディ、
「かわいいなんて、そんな、あたり前のこと言われましても、それに、アタシは、妖精じゃ・・・。いやいや、そんなことよりも、魔獣の洞くつの入り方を知ってるのか、ハッキリしなさいヨ!」
ラテーナ、
「魔獣の洞くつの入り口を解く方法なら知っているわ。それじゃ、私は先に、魔獣の洞くつに向かっているから。」
サンディ、
「やったじゃん。ひかる! これで、ドミールってとこに行けそうな予感がしてきたヨ。」
正面の立て札、
「像が見守りし地に光の道を封ず。決意なきものは近寄るなかれ。」
入口前に
ラテーナが到着していた。
「あなたたちが言っていたのは、ここのことでしょう。私は、ここを開ける呪文を知っているから。」
ラテーナが呪文を唱えると、不思議な壁が消えて、中にはいれるようになった。
奥まで進むと、巨大な石像が台座におかれた部屋があった。
どこからともなく、重々しい声が聞こえてきた。
「われは、光の道を守るもの。なんじ、竜の門を開くことを望むのならば、なんじの勇気を我に示せ!」
すると、石像が動き出した。
石像に勝つと、
「その勇気、しかと見た。光の道をなんじに示す、空の英雄グレイナルのもとへ旅立て・・・。」
サンディ、
「こんな、おっかない番人が襲ってくるなんて、聞いてないよー。それより、ひかる、そこの台座の上の矢みたいなものがもしかして、光の道を開くとかいうヤツ?」
台座を調べると、
「光の道を矢と変え、ここにおさめる。」とあった。まちがえない。
ひかるは、光の矢を手に入れた。