オムイ、
「来たか。ひかるよ。では、これより、天の箱舟にて、神の国に向かうとしよう。」
オムイは、気になっていたことがあった。
ひかるに再度確認する。
オムイ、
「その前に、確かめておきたいことがある。イザヤールがおまえをおそい、女神の果実をうばったというのは、事実なのか?」
ひかる、
「はい。」
オムイ、
「イザヤールが何故、そのようなことをしたかは、わからぬが・・・。あやつは、確かに、女神の果実を届けた。魔帝国のしもべであるはずがない。わしは、イザヤールを信じておる。もちろん、ひかる、おまえのこともな。さて、言い伝えが真実なら、神の国に行けるはずじゃ。」
しばらくして、
オムイが入ってくる。
オムイ、
「なんと、女神の果実と同じ、黄金の光に包まれておる。さすが、神が創りたもうた舟じゃ。」
サンディ、
「この、おじーちゃん、誰?」
オムイ、
「おお、あなたは、天の箱舟のキャンペーンガールの方ですな。わしは、天使界の長老オムイ、ええと、そちらは?」
アギロ、
「天の箱舟の運転士、アギロと申します。」
オムイ、
「運転士殿。お願いがあります。ひかるの活躍により、女神の果実は戻りました。言い伝えにしたがい、われらを神の国に連れて行ってくだされ。」
アギロ、
「かつて、神は、このように命じられました。女神の果実がみのったならば、この天の箱舟に天使を乗せ、神の国まで連れてこいと。つまり、いまこそ、神の国に向かうべきなのでしょう。わかりました。俺にお任せください。」
アギロ、
「さあ、つきましたぜ。ここが神の国です。」
オムイ、
「天使界、代々の長老の悲願がとうとう叶うのじゃな。」
アギロ、
「では、まいりましょう。」
サンディ、
「あたしたちも行こっか、ひかる。」
オムイ、
「なんたる神々しさ。なんたる美しさ、これが神の国か。」
アギロ、
「このまま、まっすぐ行けば、神の宮殿がある。神はそこにいらっしゃるはずだ。」
アギロ、
「宮殿がめちゃくちゃじゃないか。」
オムイ、
「この大穴は、まさか、天使界を襲った邪悪な光は、神の国にも・・・。」
アギロ、
「神の宮殿にこんなことをするなんて、罰当たりなやろうだぜ。まずは、どこかに神がいないか、宮殿の中を探してみようぜ。」
ひかるたちは、2Fに上がってみた。
不思議な光が輝いている。
オムイ、
「なんと、神々しい光じゃ。おそらく、この上で、女神の果実をささげるのじゃろう。」
ひかるは、女神の果実をささげた。
・・・・・・守護天使ひかる・・・・・・
そして、長老オムイ・・・・・・
私の声が聞こえますか・・・・・・
・・・・・・いいえ・・・・・・
私は あなたがた天使が
神と呼ぶものではありません・・・・・・
人間の清き心から生まれた 星のオーラは
世界中に 女神の果実をみのらせ・・・・・・
天の箱舟を神の国へと 導きました
そうして ひかる・・・・・・
あなたがたが 神の国へと 女神の果実を
とどけてくれた おかげで・・・・・・
私は・・・・・・何千年もの 長き眠りから
目覚めることができたのです・・・・・・
・・・・・・天使たちよ・・・・・・
私のもとへ お帰りなさい・・・・・・
気が付くと、
ひかるたちは、天使界に戻っていた。
オムイ、
「世界中を取り巻く、あの光っていったい。」
・・・・・・おかえりなさい 天使たちよ・・・・・・
・・・・・・私は あなたたちが
世界樹と 呼んでいた者・・・・・・
創造神 グランゼニスの娘・・・・・・
・・・・・・女神 セレシア・・・・・・
あなたたち 天使が長い間
人間界を守り 星のオーラを
ささげてくれたおかげで・・・・・・
私は こうして
目覚めることが できました・・・・・・
ありがとう・・・・・・
そして ひかる・・・・・・
一度は うしなわれた 女神の果実を
取り戻してくれたこと
心から 感謝しています・・・・・・
オムイ、
「女神セルシアさまとお呼びすればいいんですか? あなた様は、何故、世界樹に・・・。」
人間界を 守るためです・・・・・・
父なる神 グランゼニスは かつて・・・・・・
人間は 失敗作だと 言って
人間たちを ほろぼそうとしました
グランゼニス、
「・・・・・・人間たちは。この世界にはふさわしくない。」
セレシア、
「おまちください!」
グランゼニス、
「なぜ・・・・・・、止めるのだ。人間には、かばってやる価値などないではないか・・・・・・。」
セレシア、
「私は、人間たちを信じます。人間をほろぼしてはいけません、どうか・・・・・・!」
グランゼニス、
「ええい、じゃまをするな!」
グランゼニス、
「何のつもりだ! セレシア!!」
セレシア、
「お父さまが、どうしても人間をほろぼすというのなら、私は、世界中となりましょう。世界樹となった、この身を、元の姿に戻すのは、人間の清き心だけ・・・・・・。人間は、まだ清き心を失っていないはず・・・・・・。私は、身をもってそのことを・・・・・・」
グランゼニス、
「・・・・・・なんと・・・・・・。なんというおろかなことをっ・・・・・・。セレシア、おまえにはわからぬのか、もし、人間の心が邪悪であれば、世界樹となった、おまえは、永遠に・・・・・・。」
グランゼニス、
「おおっ! なんということをしてしまったのだ、おまえはっ・・・・・・! いいだろう。セレシア、おまえの、そのおろかさに免じて、人間をほろぼすのは、しばし待とう。そして、世界樹となった、おまえの手足となる者を創り・・・・・・、その者たちに、人間を見守り、清き心のあかしを集める役目を与えよう。」
グランゼニス、
「わが娘、セレシアよ・・・・・・。おまえが、女神として目覚める日は来るのであろうか・・・・・・。」
・・・・・・清き心のあかしとは
あなたがたが 星のオーラと 呼ぶものです
父なる神 グランゼニスに
人間は邪悪でないと 信じてもらうため
私は みずから 世界樹となりました
人間の清き心から生まれた 星のオーラを
世界樹にささげれば
いつの日か 女神の果実が みのる
女神の果実が 神の国へ届けられし日
私は 女神として 目覚めるのです
父なる神 グランゼニスは
世界樹に仕える者として
あなたがた 天使と 天使界を創りました
人間たちを見守り 星のオーラを集め
世界樹へと ささげること・・・・・・
そして みのった女神の果実のチカラで
私を よみがえらせるために
あなたがた天使は 生まれたのです・・・・・・
オムイ、
「われら、天使に、このような役目があったとは。ならは、グランゼニスさまは、いずこにおられるのですか?」
父 グランゼニスが ほろびたのなら
私も この世界も
とうに 消え去っているはず
私には わかります
神の国には いませんが
父なる神は たしかに おられます
天使たちよ・・・・・・ あなたがたに
伝えたいことが あります
神の国をも おそった邪悪な光・・・・・・
その みなもとたる 邪悪な者は
この世界を ほろぼそうとしています
・・・・・・時に忘れさられた ガナンの地
よみがえりし ガナン帝国城に
邪悪な気配を感じます。
守護天使 ひかるよ・・・・・・
魔帝国ガナンへ向かい
そうか 邪悪なチカラから
人間たちを 守ってください・・・・・・
あなたに 道を 開きましょう
私のちからを宿せし 青い木が
あなたを ガナン帝国城へと
みちびくでしょう・・・・・・
邪悪なちからが 消え去りしとき
・・・・・・世界は 救わ・・・れ・・・・・・
どう・・・か・・・・・・ ひかる・・・・・・
・・・・・・人間界・・・を・・・・・・
オムイ、
「セレシア様、おいたわしや。わが身をかけて、人間界を守るとは。だが、おまえだけが頼りじゃ。ガナン帝国城に行き、災いの元凶を倒すのじゃ。」
アギロ、
「人間界や、天使界を救えるのは、おまえしかいないみたいだな。」
ひかるは、ガナン帝国城に向かった。